かすかな息づかいをも感じさせるような繊細さと、スポンティニアスな躍動性を併せ持つピアニスト。
その演奏は、エキセントリックで鋭利に空間を切り裂くような狂気と、神秘性、リリカルさ、静謐の中の耽美的な香りが交錯する。
1968年横浜生まれ。
4歳より電子オルガンをはじめ、16歳でクラシックピアノに転向。
国立音楽大学作曲学科中退。クラシックピアノを小灘裕子、ジャズピアノを藤井英一、橋本一子、佐藤允彦 各氏に師事。
1993年横濱ジャズプロムナード第一回コンペティションで、グランプリ及び個人賞ベストプレイヤー賞受賞。
共演者と創り上げる自由で即興性に富んだ演奏活動は、JAZZのフォーマットばかりではなく多岐に渡る。
現在は、数多くのユニットのメンバーとしてライブやレコーディングに参加している。
ピアノトリオの範疇を超えた自己のユニット「田中信正KARTELL(山田晃路b、大槻カルタ英宣ds)」 と、
オリジナルと独創的なアレンジによるソロピアノは、比類なき唯一無二の演奏として評価が高い。
2010年より酒井俊ユニットのベトナム公演に度々参加、林正樹(pf)とのPiano duo「のぶまさき」で2012年にはパリ・アンカラ・イスタンブール公演を、2013年には韓国公演をおこなった。
2014年からは超弩級ユニット「田中信正トリオ作戦失敗(落合康介b、橋本学ds)」を始動、
2018年10月、「田中信正トリオ作戦失敗」による第二作CD「キティ組曲」をリリース。
2022年3月には、三作目となるソロピアノアルバム「PROLOGUE Plays Toshihiko Inoue」をリリースした。